子供の頃、実家の裏の小高い山に登って、その頂上から遠くを眺めるのがとっても好きでした。
どこまでも広がる青空に、ぽっかり浮かぶ雲が遠くの山々の向こうまで流れていく様子を眺めながら、あの山の向こうはどんな世界が広がってるんだろう?いつか行ってみたい!と空想していました。
小学生5年生の時、親友とふたり自転車で片道50キロのサイクリングに出かけた事があります。
明け方の朝6時に出発して、帰ってきたのは夕方7時前。
お金はほとんど持ってないので、自分たちでおにぎり弁当を作り水筒持って出かけたのですが、もうむちゃくちゃ楽しくて楽しくて自転車こいでる間、わくわくしっぱなしでした。
しかし門限が5時だったので、帰った時は親にこっぴどく怒られました(笑)
思いっきりげんこつをくらいましたが、それも今ではとってもいい思い出です。
それから16歳になった時バイク乗りだった父(というかバイクの免許しか持ってなかった)に勧められ、まったく興味がなかったにも拘わらず原付バイクの免許を取得することにしました。
そしてホンダの「TL50」と言うバイクを買いました。
TL50
ほんとは「CB50」が欲しかったんですが、当時の僕にはとても買える値段ではありませんでした。
CB50
「TL50」は新古車だったので安く買えました。確か7万円くらいだったように思います。
それまで免許を取るまでほんとにバイクには興味が無く、むしろガソリン代もかからず自分がご飯さえ食べていればどこまでも走れる自転車が最高の乗り物だ!と思っていました。
しかし免許を取って初めてバイクで街に出た時、それまでゼィゼィハァハァ息を切らしながら大汗かいて自転車を必死にこいでいたのが、まるでウソのように楽ちんに遠くまで行けるのには、それはそれはものすごく感動しました!
頬を撫でるように流れる風がとっても気持ちよく、まるで夢の中を走っているかのような気分でした。
それで一発でバイクの虜になった僕は、バイトでお金ができるとすぐさまツーリングに出かけるようになったのです。
といっても当時はガソリン代を出すのが精いっぱいだったので、昼ごはん抜きで走り回っていました。
そして中型免許を取り、次に買ったのが同じホンダのトライアルバイク「TL125イーハトーブ」です。
TL125イーハトーブ
友達でバイクに乗っているヤツは皆オンロード派ばかりでしたが、私はアドベンチャーゴコロをくすぐるオフロードが大好きだったため、ひとりで林道ツーリングに行ったりトライアルの練習をしたりしていました。
この頃はまだ未舗装の林道もまだ残っていて、地図を片手によく林道ツーリングに出かけていたものです。
今と違ってナビなどその存在すら影かたちもなく、地図も縮尺が大きくポスターのように広げるタイプの地図しかなかったので散々道に迷ったもんですが、それがまたものすごく楽しかったりしました。
まぁおかげで地図を見ただけで、その場所がどんなかんじなのかなんとなくわかるようにはなりました。
今はナビとかあるので、まったく道が覚えらかったりしますが、便利すぎるのも善し悪しなところもありますね。
この「TL125イーハトーブ」は燃費が抜群に良くリッター45キロくらい走っていたので、慢性的な財政難にあった私の財布にとっても優しいバイクでございました。
そして次に買ったのがやはりホンダの「XL250R」
XR250R
実は中型免許を取りに行っていたとき、通っていた自動車学校にたまたま「XL500S」というがバイク停めてあり、これがとにかくカッコよくて、いつかこんな大きなオフロードバイクに乗ってみたい!と思っていました。
当時はオフロードバイクと言えば250ccまでというのが常識で、大型のオフロードバイクは小柄な日本人には向かないというのが一般的で、国内ではほとんど見かけることがなかったのです。
XL500S
また大型バイクの免許取得は非常に難しく、XL500Sに乗るのは夢のまた夢みたいな感覚でございました。
XL500Sには250cc版のXL250Sというバイクがあり、無事中型免許が取れたらそれを買うつもりでしたが、ちょうどそんな時、新型であるXL250Rが発売されたのでした。
XL250Rは当時はまだほんと珍しかった、リアサスペンションが1本式の「プロリンク」を装備していて、その先進的な機能が僕のハートをガッチリ鷲掴みにしたのでありました。
250ccなのでこれまでと違い高速にも乗れるようになったため、ツーリングの距離も伸びました。
と言っても当時、九州はまだ高速があまり整備されておらず料金も高かったため、めったに乗ることはありませんでしたが(笑)
XL250Rはプロリンクのおかげで林道の走破性も高く乗り心地も最高、いろんなところへ出かけました。
佐賀県の天山周辺の林道(今は全部舗装されています)や熊本から鹿児島、宮崎周辺の林道など走り回りまわっていました。
そして次に乗ったのが「GL400カスタム」
GL400カスタム
なぜか突然のロードバイク。しかもアメリカン(笑)
お金が必要になった友人から、なかば強引に買わされてしまったんですが、これはこれでとっても良かったです。
水冷Vツインのドロドロドロという独特のエンジン音と、400ccとはとても思えない立派な車格でロングツーリングは超らくちんでした。
ただその車格ゆえに燃費は非常に悪く、結局維持費等の問題から半年くらいで手放すことになってしまいました。
そしてロードバイク、しかもVツインに興味を持った僕が次に乗ったのは「VF400F」でした。
VF400F
VF400Fはホンダ初のV型4気筒エンジン搭載で、あっという間にメーターが跳ね上がる心地よい加速感はほんと最高でした。
しかし中古で買ったこのVF400Fには、走行中に突然エンジンが停止してしばらくかからなくなるという持病があり、バイク屋さんで何度か修理をお願いしてもまった治らなかったため結局こちらも1か月もしないうちに手放してしまいました。
そして20回も試験を受けてやっと大型二輪免許に合格(当時は試験場で直接試験を受ける方法しかなかった)、そこで買ったのがカワサキの「GPZ750R」通称「Ninja」でした。
当時、トム・クルーズが映画「トップ・ガン」で演じた主人公マーベリック(ピート・ミッチェル)がGPZ900R乗っていたこともあり、弟分であるこのGPZ750Rもとっても人気がありました。
Ninjaという愛称はこのGPZ900Rから始まったのです。
GPZ750R
ほんとは900ccが欲しかったんですが、その頃のオーバー750はまだ国内販売されておらず逆輸入でしか買えない上に130万円以上する価格は、当時のバイクの値段としてはかなり高価で買うにはけっこう勇気がいる値段でした。
これまでホンダばかり乗ってきましたが、ここで初めてカワサキ車になりました。
実は大型二輪免許を取って大型バイクをいろいろと見ていたのですが、たまたままっ黒のGPZ750Rのカタログを見て一目ぼれしてしまったのでした。
この頃は仕事で兵庫の山奥に住んでいたのですが、休みのたびにツーリングに出かけていました。
鳥取砂丘や、大山、出雲大社、京都、石川、岡山、神戸、大阪と主に日帰りが中心でしたが休みのたびに出かけていました。
またお盆とお正月休みには、深夜の高速を夜通し突っ走って九州の実家へ帰っていました。
そして1年たってローンも払い終わり、大好きだったこのNinjaは無事大型二輪免許に合格した弟に譲ることになりました。
そして次に出会ったのが「Z750RS」通称Z2です。
Z750RS
買った当時はまったく人気が無く、会社の同僚から「頼むから買ってくれ」とこんこんと頼まれ渋々17万円ほどで買ったのですが、乗ってみるとパワーもさほど無くタイヤは滑るしフレームはよじれるしでGPZ750Rと比べると性能的には雲泥の差でした。
ですがヒュルヒュル~!がおぉぉ~!走るそのサウンドと後輪ステアで曲がる感覚が、何故かもう楽しくて楽しくて、時間があれば乗り回していました。
Z2に乗るようになってしばらくすると漫画、あいつとララバイ(著:楠木みちはる)やミスターバイク誌で人気を博したワークス製カスタムZ2の影響などもあり、空前のZ2ブームがやってきたのでした。
その後、数年東京にも住んでいたのですが、九州~東京間も何度も往復しメーターの距離計はたぶん二回り以上しています。
雨の降る深夜の高速道路で突然ヘッドライトの球が切れトラックの背後にへばりついて目を皿のようにして冷や汗かいてSAまで走ったり、カスタムして付けていた他車製キャブレターがツーリング先でぽっこり外れてしまい針金でぐるぐる巻きにして帰ったり、東京まで行くのに充電ができなくなって予備のバッテリーを交換しながら走り、着いてみるとジェネレーターがバラバラになってたり、高速道路を走行中に突然ハンドルが激しくブレだして左右にフルロック、ハンドルがカンカン音を立てながら大暴れして真っ青になったりといろんなトラブルがありました。
トラブルは数知れずでしたが、長い付き合いとなったこのZ2のおかげで、たくさんの旅と出会いを経験させてもらいました。
まだまだいろんな話がありますが、とりあえずこの続きはまた次の機会に。
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