小さいけど、けっこう運べまますよ。
ホンダの名車カブと並んで1953年に90ccのベンリィJ型が発売され、1968年にビジネスバイクとしてベンリィ・シリーズに加わったCD50。
50ccの他に90ccと125ccがあり、カブと同様に長い間、仕事の現場で活躍するバイクとして人気を博したモデルですが、2007年度排ガス規制の影響で惜しくも現在は生産中止。
1953年初期のベンリィJ型。
今見ると、このレトロなデザインがたまらんですね。
クルマやバイクのデザインって、「発売当初は最先端、1年経つとごく普通、10年経ったら古臭く、30年過ぎたらオシャレに見える」という一連の流れをひとり勝手に感じているのだけれども、60年も前のデザインは現代と違うセンスと古き良き当時の情熱や思想、発想が感じられ、まだ自分が生まれてもいない知らない時代なのにもかかわらず、なぜか懐かしく新鮮に思えてしまうのが不思議。
CD50はビジネスバイクという位置づけなのもあり、めったに話題に登ることがない地味なバイクだけど、カブやモンキーと同様にコアなマニアに人気で、遊びゴコロをくすぐる面白い素材でもるのです。
ベンリィの名前の由来は「自転車より便利」
笑ってしまうほどストレートなネーミングだんだけれども、サイドカーを付けたこのCD50はまさにベンリィの名の通り、仕事に使うという目的のためにさらに便利なマシンにカスタマイズされているのだ。
元々といえば東京下町の畳屋のおじいちゃんが仕事で使っていたバイクらしく、サイドカー側には畳を載せるための頑丈な枠が付いているのがこのサイドカーの大きな特徴。
そしてサイドカーフレームに載っている本体とフェンダーはなんと木製。ジュピターサイドカー。
ところどころサビた釘が半分出てたりする、今時めったに見ることのないシブい仕様。
サイドカーのボディが壊れたら釘とハンマーで直せます。
しかもサイドカー側のタイヤホールは、どうみてもリヤカーなのであります。
サイドカーのライディング
サイドカーは片側に重石を付けて走っているようなもので、アクセルを開けて加速すると車体が先に進みカー側が置いてかれて遅れるため、必然的に進路はカー側へ曲がろうとする。
逆にアクセルを閉じると、車体はエンジンブレーキで速度が落ちても、慣性力がついたカー側はそのまま先へ行こうとして今度は車体側へ曲がろうとする。
つまりアクセルをオンオフするたびにジグザグに走るのであります。
こんな特性があるので、カーブなどうまいことタイミングを合わせることができるとけっこう面白いかったりするのだが、そんな簡単じゃあありません。
またサイドカー側は空力によって浮きやすいので、重石を載せたりして浮かないようするのでさらに慣性の法則が強化される。
ちなみにこのサイドカーの重石は漬物用の重石だ!どうだ!
基本的に車体を倒さずハンドルで曲がるので、大排気量の重量級サイドカーは車体のセッティングによってはけっこうな腕力が必要なのだけれども、このCD50サイドカーはそこまでは重くないのとたいしたスピードも出ないので女の子でも乗れてしまう、わりと気軽なサイドカーに仕上がってます。
実はこのサイドカー、弟がヤフオクに出品されているのを見て酔った勢いで落札してしまったもので、送料が落札代金の倍以上という、まさに酔ってなければできない芸当。
ウチに来た時はタイヤもパンクしエンジンも動かず埃だらけの不動車状態でした。
そこで修理ついでにどうせなら、と排気量を106ccにパワーアップしマフラーもスーパートラップに交換。
タイヤも新品に交換し、ハンドル回りを強化して、なんとなく良さげになりました。
車体も磨いてちょっぴりきれいになって、次はサイドカー本体をどうしようか?と思案中。
このCD50サイドカーは2号機。
という事は当然サイドカー1号機もあるのであります。
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